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機能性フィルム

2022.09.20

非帯電防止フィルムが必要となる理由

INDEX
  1. フィルムに静電気が発生する理由と、それによる障害
  2. フィルムに発生した静電気が影響を及ぼす障害
  3. フィルムの静電気障害対策とは?

フィルムに静電気が発生する理由と、それによる障害

一般的にプラスチックは高い電気抵抗値を持っており、これが優れた絶縁性を有する要因となっていますが、反面摩擦を剥離によって生じた静電気がいつまでも蓄積し、種々の障害を起こす原因ともなっています。静電気の発生理論はさまざまにありますが、ヘルムホルツによると、2個の物体が接すると、界面にまず電気二重層ができ、次に2物体が分離する際、電荷の移動によって生じる接触電位差が帯電を引き起こすと述べています。

絶縁性の物体の表面においては通常±の電荷が均衡した状態にありますが、2物体の接触により電荷が移動し、均衡状態を保てなくなることが一因とされています。

フィルムに発生した静電気が影響を及ぼす障害

では、具体的に静電気障害としてどのような事象が起きるのかというと以下のような例が挙げられます。

①フィルム製造時、印刷時などロールに接触することによって生じる静電気により、人体に電撃を感じることができる。
②また上述の静電気は、周囲に浮遊している微粉体及びガソリンなど可燃性有機溶剤蒸気の発火、爆発を誘引する。
③フィルムを印刷する際、発生、蓄積された静電気により、インクのはねやにじみが生じます。
④ロールとの接触により帯電した静電気がフィルム送り出しのブレを生じさせ、特に多色印刷時に、印刷ズレを引き起こします。

⑤高分子のフィルムを袋として用い、米、砂糖、薬品etc.の顆粒、粉末をパッキングする際、袋を開口剥離することにより生じた静電気が、粉末を上部シール部まで舞い上がらせ、ヒートシールを妨げます。
⑥高分子表面に蓄積された静電気が、周囲の塵埃を吸着し、商品価値を低下させます。

包装資材としての用途である当社のフィルムでこれらの静電気障害が発生すると製品の不良を招く為、十分に気を付けなればなりません。そこで、当社では以下の静電気対策を御伝えしています。

フィルムの静電気障害対策とは?

具体的な静電気対策として以下の3つの対策があります。

対策1:高分子製品の製造現場及び使用現場の湿潤調整を行い、静電気の帯電を最小限に抑える。
対策2:静電気除去装置(空気をイオン化する装置)を用いて帯電した高分子にイオン化した空気を吹きつけ、表面に生じた静電気を中和させる。
対策3:高分子の電気抵抗を軽減する物策を練りこみ、或いは塗布する。

しかし、対策1・2は根本的な対策とは言えず、周辺環境に依存します。そのため、大きな除去効果が期待でき、根本的な解決方法として推奨しているのが対策3です。ただし、後に述べるように、発生した静電気の蓄電度合いは、周囲の湿度に相関があるので、空気の乾燥する冬場には1の方法は特に有効です。

上述した対策3の物質に相当するものは、練りこみ型として、金属フィラー・金属粉・カーボンフィラー・カーボン及び界面活性剤、塗布型として有機系薬品及び金属粉など種々あります。次のページでは、練り込み型界面活性剤について記します。

非帯電防止フィルムを実現する帯電防止剤について

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